「ホタルノヒカリ」に見る、恋愛の苦いおもひでぽろぽろ。

久しぶりに、ひうらさとるホタルノヒカリ」を読んだ。

 

ホタルノヒカリ(1)

ホタルノヒカリ(1)

 

 

ドラマ化も映画化もしたこの作品。

恋愛するよりも家で寝ていたい干物女・雨宮蛍(27)と上司・高野部長(41)の、ひょんなことから始まった縁側付き古民家での共同生活、蛍と年下の彼・マコト(24)との恋愛etc.を描いたラブコメディーです。

齢29、作品中の蛍よりも2歳年を取った今の私が、改めて読んでみたら、自分や周りの友人の、恋愛のありとあらゆる苦い思い出・失敗談が、この作品の中に散りばめられていることに気がつきました。ひうらさとる先生すごい…!

今日は、レビューと称して、この作品の中に詰まった恋愛の苦い思い出・失敗談を紹介します。

 

①言いたいことが言えない

蛍は年下の彼・マコトに告白されて、晴れてお付き合いをスタートしますが、彼に嫌われたくないと思うあまり、言いたいことが言えません。

本当はあまり好きではないトランプビールを「好き」と言って嘘をつく、同棲や実家への挨拶等、思わせぶりな態度を取るマコトに「結婚についてどう考えてるの?」となかなか聞き出せないetc.。

高野部長との共同生活や、自分が干物女であることも、もちろん言えないまま。

でもこれって、最終的に必ずガタがくるんですよね。作品の中でも、隠し通せない窮地に立たされた蛍が、マコトに本当のことを話して、破局を迎えます。

「あぁ、言いたいことは言えなかったな…」と、ほろ苦い過去の思い出が蘇りました。

 

②恋人が、自分より他の人(特に異性)に心を許している事実が許せない

  

ホタルノヒカリ(8)

ホタルノヒカリ(8)

 

付き合って1年位?経過・コミックス8巻にしてようやく、高野部長との共同生活や、自分が干物女であることについて、蛍に打ち明けられたマコト。

蛍が隠していたことよりも、蛍が高野部長の前で、素の自分を見せていたことに嫉妬し、高野部長にやつあたりします。

恋愛関係には、良くも悪くもある程度の緊張感が伴うし、素の自分を互いに見せられるようになる安心感を築くには時間もかかるので、致し方ないことではあるんですが、そうとは頭でわかってはいても、感情がついていかない。

これも何かわかるなぁ、と思いました。私の実体験ではなく、周りの友人からの相談を受けて。恋人に対する気の許し、友人等他の距離の近い人に対する気の許し、各々は別物で両方あっていいかと思いますが、それでも「自分は一番特別でありたい」と願うのもまた恋愛のエゴ。過去の友人の失恋話を思い出して、胸がきゅーっと詰まりました。

 

③片思い相手の好きな人に対するもやもや(嫉妬や自己嫌悪etc.)

 

ホタルノヒカリ(7)

ホタルノヒカリ(7)

 

 ルックス・気配り・仕事と三拍子そろった完璧なステキ女子・優華。優華が好きになったマコトは蛍のことが好きで、自分が振ったものの気になる相手・神宮司は、何故か蛍と仲が良い。蛍のことを尊敬しながらも「蛍さんなんか…!」ともやもやした嫉妬心を抱え、そんな嫉妬心を持つ自分に自己嫌悪します。

これ、すっごいわかるなぁ…!20歳当時、好きになった人が、立て続けに、台風の目のようにコミュニティーをしっちゃかめっちゃかかき回す女を好きになる事態が起きて、その時は私の心の中に嫉妬の嵐が吹き荒れました。今となっては笑い話ですが。笑

 

以上、恋愛の苦い思い出や失敗談がぎゅっと詰まった「ホタルノヒカリ」。

ハッピーエンドで良かったです。読者の私が、心が救われたように思いました。

少女漫画、月日を経て改めて読み返すと、面白いですね。そんな夏休み2日目の夜でした。