「ムカつく!」をカギカッコでくくれ

怒りの感情との向き合い方は、難しい。

 

愚痴や文句で「発散」しても、それを繰り返すうちに、自分自身が怒りっぽい性格になっていく。

一方で、「抑圧」しようと試みても、自分の怒りを無理やり抑えるから、さらにモヤモヤが増し、だんだん屈折した性格になっていく。

 

怒りを「発散」するでも、「抑圧」するでもなく、どう扱うか。

 

月読寺住職・小池龍之介さんは、著書『考えない練習』の中で、怒りという自分の感情をただ「見つめる」ことを薦めている。

あくまでも、ひとつの見方や意見として、いまこの「ムカつく!」が持ち上がってきているだけなのだと自己認識することです。そしてそんな己の感情を見つめて、それをそのまま受け入れる。(中略)

二度三度、同じ言葉を念じて「◯◯と思っているだけなのだな」と心に言い聞かせると、自分の心を客観視することができます。すると思考の暴走がカギカッコにくくられて静まり、クリアな意識状態になるでしょう。

ーー小池龍之介『考えない練習』小学館, 2010年 P.44 L.14-P.45 L.5より引用

 

怒りで我を見失わないよう、一呼吸おいて、ただひたすら怒りを見つめる。

怒りが次の怒りを生む、ネガティブスパイラルに陥らないためにも、試してみようと思います。

考えない練習 (小学館文庫)

考えない練習 (小学館文庫)